発達障害

発達障害児の子育てで鬱(うつ)に…育児の悩みから抜け出すにはどうしたら良い?

大変な事の多い発達障害児の子育てでは、親の方が疲弊して、心が追いつめられることがよくあります。

中には親が鬱(うつ)を発症することも決して珍しくはありません。

私自身、発達障害の息子を育てながら「つらい」「苦しい」という気持ちが徐々に大きくなっていき、さまざまな心身の不調に悩まされ、毎週のように心療内科でカウンセリングを受けていたこともあります。

そんな自分の子育て経験を振り返りながら、発達障害児の子育てで鬱(うつ)の症状に見舞われた時どう対処すれば良いのか、苦しい気持ちから抜け出す為の方法をまとめてみました。

今現在、発達障害児の子育てで悩んでいる保護者の方に、ぜひ参考にしてもらえたらと思います。

発達障害児の子育てで鬱(うつ)になる原因は?

子育て中に鬱(うつ)やノイローゼになるお母さんは多いですが、普通より子育ての負担が大きい時に、うつを発症しやすいことがわかっています。

子育ての負担を大きくする原因には、下記のようなことがあります。

  • 核家族でのワンオペ育児
  • 夫婦不仲の中での育児
  • 双子や三つ子などの多胎育児
  • 障害児の育児

育児でこうした事情があると、主に子育てを担うお母さんお父さんの身体的精神的負担はかなり大きくなり、気持ちが追いつめられて鬱を発症してしまうことがあるのです。

発達障害児の子育てはうつになりやすい?

発達障害の子育てが他の育児よりとびぬけて鬱になりやすいか?と言われれば、そこまで極端な差はないと思います。

しかし、私の経験を振り返ると、「発達障害児の子育ては鬱になる状況を作りやすい」ということが言えると思います。

というのは、発達障害の子供を育てていると孤立しやすいからです。

最初は「可愛い可愛い」と言って、何かにつけて構いたがっていたおじいちゃんおばあちゃん(私と夫の父母)が、息子の過敏さや気難しさに気付くや否や、コロリと態度を変えて合いに来なくなってしまいました。

息子が発達障害と診断され、それを知らせた時には、「うちの家系にそんな子が産まれるはずがない!」と怒鳴られ、「自分の子供を障害者扱いするなんておかしい、どうして病院なんて連れて行ったの?」と責められました。

また、小学校でようやく出来た息子のお友達とそのママ友達ですが、息子が発達障害と診断され、特別支援学級に在籍するようになると、挨拶もしてくれなくなりました。

それまでは一緒にランチに行ったり、お互いの家に集まって、子供を遊ばせながら楽しくおしゃべりしていた仲間。

でも、特別支援学級に入った途端に距離を置かれてしまい、みんなで集まる機会があっても「◯◯さんは忙しいわよね」「◯◯さんはクラスが違うから」と、遠回しに「来ないで」という態度をされたこともあったのです。

このように、発達障害の子育てでは孤立感を感じる事が度々あり、ただでさえ大変な子育ての中で、余計に心が追いつめられることが少なくないのです。

もちろん、発達障害児の親同士のコミュニティはありますし、同じ特別支援学級の保護者同士で仲良くする事もできます。

しかしこれまで仲良くしていた人が離れていったり、祖父母や夫や、普通なら息子を可愛がって大切にしてくれるはずの人達から無関心な態度をされると、母親である自分の方がショックを受けてしまい、ストレスから不眠や拒食、顔面がヒクヒクしたり胃に激痛が走ったりと、さまざまな症状が起こるようになっていったのです。

発達障害の育児で鬱(うつ)にならない方法

普通より苦労が大きくなりがちな発達障害の子育て。

鬱の症状が出始めると、気持ちの切り替えが出来なくなり、毎日がつらくて悲しくて大変な思いをします。

私自身、育児で鬱になっていた頃を思い出すと今でも涙が出そうになりますし、間違いなく、自分の人生で一番苦しい時期だったと思います。

私のように発達障害の子育てが原因の鬱にならない為にはどうすれば良いのか。

発達障害児の育児でうつにならない方法や、今だから分かる鬱回避術をまとめました。

発達障害の育児に非協力的な人とは親しくしない

1日中、泣いたりぐずったり暴れたり。園や学校で問題を起こしたり、時にはよそのお子さんに手を出してしまう事も。親が言い聞かせてもうまく伝わらず、気持ちの疎通がなかなかできなくて追いつめられる。

そうした発達障害児の子育ては本当に大変で、「誰でも良いから助けて欲しい」という気持ちになることも多々あります。

でも、誰も手を差し伸べてくれなくて、「どうして?」と、理不尽な気持ちになることも…。

発達障害の子育ては悩みが尽きないですし体力的にもかなり大変。にも関わらず、助けてくれる人がほとんどいないのが現実です。

こうした状況で気持ちに余裕がなくなり、うつになるお母さんも実はたくさんいます。

自分が苦しんでいるのに、生きることさえ無理だと感じる時があるのに、誰も助けてくれない。本当に悲しいですよね。

私も発達障害の息子の育児で孤立感と「なぜ誰も助けてくれないの?」という気持ちになり、「もう無理だ」と悲観的になった事が何度もあります。

しかし今思えば、人に期待するからつらかったのだな、と思うのです。

ほとんどの人は自分にプラスになる、得になる事しかしません。自分が「嬉しい」と思う要素がなければ、人を助けようと言う気持ちになんてならないのだと思います。

そして、発達障害の子育ては、一生懸命手伝っても子供はなつきにくいですし、余計に迷惑をかけられる可能性もある…と思われがち。

それなら、ちょっと可哀想だけど手は出さない方が良いだろう。そんな風に思う人も少なくないのです。

実際に私の母がそうでした。「だって、◯◯君は私には懐かないんだから、アンタが頑張りなさい!」と、はっきり言われました。

母に懐く可愛い孫なら子育てを手伝うけれど、全然懐かない手の焼ける孫なら関わりたくない。それが母の本音でした。

そしてそれは私の母に限らず、そうした考えを持っている人は少なくないと言う現実があります。

ですから、「可愛がって欲しい」と期待したり、「困った時に頼りたい」と思えば思うほど、傷付くのは発達障害の子育てをしているお母さんなのです。

私はある時から「もう誰にも頼らないでおこう」と心に決め、身近な人に頼れない分、公的な支援や相談を積極的に受けるようにしました。

そうすることで本当に必要な支援が受けられますし、冷たい言葉で傷つけられることも無くなったので、私自身のストレスは大幅に軽減されました。

発達障害に関連した間違った情報に惑わされない

発達障害児の子育て情報の中には、エビデンスのはっきりしない信頼性の低い情報がたくさんあります。

「発達障害児にはこうすれば効果があります」「これがあれば問題行動が減ります」などと、今すぐにでも悩みが解決出来るような書き方をされているものもありますが、それを真に受けてしまうのは危険。

というのは、発達障害児と一言に言ってもその特性はさまざまで、「こうすればこう」というような簡単なものではないからです。

人間は、悩みが深ければ深いほど「救いを求めたい」という気持ちが強くなり、適当な文節でも鵜呑みにしてしまいがち。

そして信頼していた情報通りに物事が進まないと、「何かが間違っているんだ、自分たち親子はダメなんだ…」と、自分を責めたり発達障害の我が子を否定してしまう事もあるのです。

私は発達障害の息子の不眠に悩んでいる時、あるママ友からアメリカの女性作家の育児書をすすめられました。そこには、「夜にぐずったり泣いたりして眠らない子供は、1人で子供部屋に閉じ込め、親は絶対に声をかけてはいけない」と書かれていたのです。

それが最新のペアレントトレーニングだと信じているママ友からは「頑張って突き放さないとダメよ」と言われましたが、泣きわめく息子を子供部屋に閉じ込めて放置する気持ちには、どうしてもなれませんでした。

「甘やかし過ぎ」「子離れしないと」「あなたがそんな風だから、◯◯君がワガママになるのよ」

息子を突き放せない私は、色々な人からそうした言葉をかけられ、傷付き、悩み苦しみました。

困っていても一切手助けしてくれない人達から、一体どれだけの傷付く言葉を投げつけられたか…。今思い出しても悲しいです。

一時期は人間不信になり、それがきっかけで鬱症状が出てしまいました。

でも、振り返ってみれば、私の選択は正しかったのです。

もしあの時、「眠れない」とパニックになって泣いている息子を突き放し、知らない顔をして私と夫が寝室に行ってしまっていたら、息子との信頼関係は崩れ、彼の心にはトラウマができてしまっていたと思います。

現在高校生の息子が発達障害でありながらも外で問題行動は起こさず、周囲の大人の言う事をきちんと聞けるように育ったのは、あの時に私が間違った情報に惑わされず息子との信頼関係を第一に考えて行動していたからだと思っています。

発達障害といっても人それぞれ。誰かの正解は、必ずしも我が子にとっての正解ではない。

それを心に刻んで、周囲の言葉や間違った情報に惑わされず、自分を信じて子育てすることが鬱を長引かせないポイントなのです。

公的な支援を積極的に受ける

発達障害の子育てでは、普通よりも周囲のサポートを受けにくい分、公的な支援は積極的に受けるようにしてください。

軽度の発達障害でも療育手帳があれば、公共交通機関の運賃や公共施設の入場料が安くなったり、親が税控除を受けられたりします。

ドコモ、au、ソフトバンクの携帯電話やスマホを持たせる時には障害者割引が受けられますし、タクシー料金も割引が受けられます。

また、学校に通う為のサポートとして就学奨励費も受け取る事が出来ますので、経済的にはかなり助かるのです。

就学奨励費の体験談
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発達障害の子育てをしていると、夫婦共働きが難しいこともありますよね。

私は長男が小中学校を休みがちの時期があったため、外で働くのは無理でした。在宅ワークはしていましたが、稼げるお金はパート代にもなりません。

そんな状態だったので、発達障害児でも受けられる公的支援はとても助かりました。

発達障害の子育ては中学校くらいからグンとらくになる

発達障害の問題行動に悩んでいるお父さんお母さんだと、「いったいいつまで続くのだろう」と感じて、疲れきってしまう事もあるのではないでしょうか。

先の見えない不安が、鬱につながる可能性はかなり高いと思います。

大変な時は今この瞬間しか見えなくなりがちなので、どん底の気分になって「もうどうでもいいや」と自暴自棄に陥る事もあるかも知れません。

でも、大丈夫です。今を乗り越えれば、きっといつかはラクになります。

私の経験から言うと、発達障害の子育ては中学校くらいからグンとらくになります。

個人差はありますが、それまで暴れたりワガママ放題だったような発達障害児でも、中学校くらいから少し分別がついて、周囲の言葉に従えるようになるようです。

もちろん大変な事はいくらでもありますし、思春期に入り、反抗期などが出てきて難しくなる面もあります。

でも、意思の疎通ができるようになる、気持ちが伝えやすくなる、というのが親にとってはかなり嬉しい成長だと思います。

ですから今かなりつらい状況で、先の見えないトンネルの中にいるような気持ちで悩んでいる親御さんも、時間が経てば必ずらくになる瞬間が訪れます。

その日まで、お子さんを信じてあげてください。

発達障害の子育てで鬱になった時はどうする?

発達障害児の子育てをしていて、鬱になってしまった時は、躊躇せず心療内科などのクリニックを受診してください。

小中学校ならスクールカウンセリングを保護者も利用出来るはずですから、まずはスクールカウンセリングを受けても良いですね。

とにかく、自分の心の中だけで解決しようとせず、誰かに聞いてもらう事が大切です。

聞いてもらっても何も解決しない。それでも良いのです。カウンセラーはプロですから、適当な慰めを言ったり、傷付くような言葉がけをすることはありません。

静かに話を聞いてくれるはずです。

私の場合は、息子が小学4年生の時に、親子別々の時間をとってもらいスクールカウンセリングを受けました。

カウンセリングの中で、息子の将来をとても心配している事や、1人でも良いから仲良しの友達が欲しい事、家の中での自傷行為に悩んでいる事など、今まで人に言った事のない悩みを聞いてもらった事で、自分自身の気持ちがとても軽くなりました。

また、カウンセラーからは別の視点で息子を見た感想や、息子と同じような特性を持つ子供がどういう風に成長しているかなど、気になっていた事を聞く事ができて本当に良かったです。

発達障害児の子育ての悩みは、周囲のママ友と共有することが難しく、心の中にしまってしまいがちですよね。

でもそのまま貯め込んでいると鬱はどんどんひどくなるので、なんとか勇気をだして外に出してみることから、塞いでいた気持ちがリセットできるかも知れません。

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