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「発達障害児の育て方」5つのポイント|子供が発達障害と診断されたら取り組むべきこと

子供が『発達障害』と診断されると親も少なからずショックを受けるものです。

でも、立ち止まっていても何も良いことは起こりません。

大切なのは、子供の発達障害による特性を家族がきちんと理解して、少しでも困りごとを減らせるように早い段階から対応をしておくことです。

こちらの記事では、子供が発達障害と診断されたその日から保護者が取り組むべきことを、5つのステップにわけて解説しています。

「子供が医療機関で発達障害と診断されたけれど、この先どうやってサポートしてあげれば良いのか分からない…」という保護者の方はぜひ参考にしてください。

子供が発達障害と診断されたらどうすれば良い?

「お子さんは発達障害です」と医師から告げられると、どんな親でも多少はショックを受けるもの。

幼少期から「この子はきっと発達障害だろうな」と感じながら子育てをしていた私でさえ、正式に息子の診断結果が出た時には、「やっぱり」と思うと同時に「これからどうすれば良いのだろう」という不安が押し寄せました。

でも、診断から約10年経った今になって思うのは、「子供が発達障害だという事実は変わりようが無いのだから、親子が生きやすくなれる環境を1日でも早く作ってしまった方が余計な苦しみを抱えずにすむ」ということです。

子供が発達障害だということがなかなか受け入れられなかったり、努力次第でどうにか改善できるのではないかと焦ったり、親の葛藤はたくさんあります。

でも、そこで悩み苦しんでいても、子供はどんどん成長しますし、時間は立ち止まってはくれないのです。

そうであれば、発達障害の子供の将来の為に、大人になった時になるべく苦労をしない土台を作ってあげることこそが、親としての使命ではないかと感じます。

「発達障害児の育て方」5つのポイント

軽度も含めると10人に1人の割合で存在すると言われている発達障害。家族の中に発達障害の人がいることは特別なことではありません。

子供が発達障害だと言われると親としてはショックを受けるかも知れませんが、前向きに考えて、子供が生きづらさを感じなくて良いように環境を整えてあげましょう。

私が最善策だと思っている「発達障害の子供を育てる時のポイント」「発達障害だと子供が診断された時に親が取り組むべきこと」を、5つ紹介していきます。

1.子供への接し方・育て方を見直す

発達障害には自閉症、アスペルガー症候群、学習障害、注意欠陥多動性障害など、さまざまな特性があります。

お医者さんから「自閉症です」と言われると、自閉症の特性に合わせた育て方を調べて実践してみる親御さんが多いのですが、そこには注意点があるのです。

発達障害というのは、それぞれの特性がはっきりと分かれているわけではなく、1人の子供に複数の特性があらわれることがほとんどです。

ですから診断後に接し方や育て方を見直そうという時には、「うちの子の診断名はこれだから」という考え方はせずに、発達障害をひろく理解した上で対応されることをおすすめします。

発達障害の特性に合わせた育て方については、こちらの記事に詳しくまとめていますので、ぜひ一読してみてください。

【タイプ別】発達障害児の特徴とサポート方法|家庭と学校・園での正しい支援の在り方

2.学校や園に発達障害の子供へのサポートをお願いする

いつか社会に出て行かなければいけない子供にとって、世の中のルールやマナーを学ぶ場となるのが小学校・中学校や幼稚園・保育園になります。

学校はもちろん教育の場ではありますが、同時に、幼い子どもにとっては他人との接し方や集団生活での過ごし方など『ソーシャルスキルを身に付ける場』という大きな役割もあるのです。

ただ、そんな学校や園が発達障害の子供には試練の場となることがあります。

たくさんの子供の声、激しい動き、ルールの決まった集団行動などが大きなストレスになったり、そのような環境に順応できないことでイライラして落ち着かなくなってしまうことは頻繁に起こります。

そして、そのストレスが原因で問題行動があらわれたり、時にはクラスメイトに手を出してしまうことも。

そうした発達障害児の特性を考えれば、学校でのサポートは必要不可欠。

子供が発達障害と診断された時は、まず最初に学校や園に連絡をしてサポートをお願いして下さい。

その時に診断書の提出を求められる場合もありますから、診断を受けた時に医師に書いておいてもらうとスムーズです。

発達障害だと授業で学習したことも定着しにくい特徴がありますから、宿題や予習復習などは家庭でサポートをしてあげましょう。

特性に合わせた家庭学習に効果のある通信教育は、こちらの記事で紹介しています。

発達障害児・学習障害(LD)におすすめの通信教育まとめ|ストレスなく成績アップを目指す方法

学校生活の中で困難なことが多くなっていたり、本人が疲れている時には、障害児のための特別支援学級に入れてあげることも考える必要があります。

発達障害の子供が特別支援学級に入るかどうかについては、こちらの記事で確認して下さい。

「特別支援学級ってどんなところ?」通わせて分かったメリットデメリット

3.療育手帳(障害者手帳)を取得して行政からの支援を受ける

発達障害と診断されれば、軽度の判定でも療育手帳(障害者手帳)が取得できます。

この判定基準は地域によって差がありますが、最初に医療機関で発達障害の診断を受けてから申請をすると、スムーズに療育手帳がもらえるようです。

療育手帳の手続きを行なう児童相談所でも医師による診察がありますが、すでに医療機関で診断されている子供に対しては、それを前提に判定が行なわれるので、ほとんどのケースで療育手帳が取得できる可能性が高いです。

療育手帳があれば中学校、高校と、進学する時に障害のことを理解してもらいやすくなりますし、見た目は普通の子供と変わらないような発達障害の子供でも手帳があることで配慮をお願いしやすくなる効果があります。

また、公共交通機関の運賃や公共施設の入場料の割引きがあったり、保護者の税金控除があったりと、経済的な支援も受けられます。

発達障害児の療育手帳の取得については下記の記事を参考にして下さい。

発達障害児の療育手帳交付で感じたメリット・デメリット|申請から交付までの流れをまとめました

4.就学奨励費を受給して子育てに専念する

発達障害の子供を全力でサポートしようとすると、仕事や家事に支障が出てしまうことがよくあります。

子育ても大切ですが生きていく為には仕事も頑張らなければいけない。そんな思いで悩んでいるお父さんお母さんも少なくないのではないでしょうか。

そんな時に少しですが支えになるのが「特別支援教育就学奨励費」という支援金です。

特別支援教育就学奨励費とは?

障害のある幼児児童生徒が特別支援学校や小学校・中学校の特別支援学級等で学ぶ際に、保護者が負担する教育関係経費について、家庭の経済状況等に応じ、国及び地方公共団体が補助する仕組みです。

なお、平成25年度より、通常の学級で学ぶ児童生徒(学校教育法施行令第22条の3に定める障害の程度に該当)についても補助対象に拡充しています。

文部科学省|特別支援教育就学奨励費について

就学奨励費で教育費を補助してもらえれば、子供のサポートの為に働く時間が取れない時の心配が少しは軽くなります。

特別支援学級に入っていない発達障害児の保護者でも対象になりますので、受給を検討してみられることをおすすめします。

詳細についてはこちらの記事でまとめていますので、申請時の参考にしてみてください。

【経験談】特別支援教育就学奨励費とは?支給金額と条件、申請方法をまとめました

5.進学先や就職先の情報を集める

発達障害の子供のことで親が頭を悩ませるのは、なにも子供の時だけではありません。

むしろ大きくなってからの方が、親の管理が行き届きにくい分、色々なトラブルに巻き込まれたり問題を起こしやすくなるのです。

ですから、子供が発達障害と診断された時は、早目に進学先や就職先について情報を集めて「将来の方向性」を親子で考えておくことが大切なことです。

成り行きに任せて何も考えず年月を重ねてしまうと、気付けば「1人では何も出来ない大人」に育ってしまい、何から何まで親が手出しをしなければならなくなってしまいます。

最近では、老いた親が無職の子供を年金で支えている問題がクローズアップされることが増えましたが、発達障害の子供とその親についても、同じようなケースに陥る可能性があるのです。

障害がある以上、完全に自立できることを求めるのは難しい面も多々あります。

とはいえ、社会から分断された引きこもり状態だけは避けたいので、進学・就職でつまづかないように備えてあげることが最優先課題だと言えるでしょう。

発達障害の子供の進学問題は、こちらの記事を参考にしてください。

発達障害の子供が私立高校に進学する方法|発達障害の受け入れが募集要項に書かれていないケースも…

発達障害の就職先は限られている?

上記の記事でも紹介しているように、発達障害の子供でも進路については比較的幅広く用意されています。

人とのコミュニケーションが苦手なら通信制高校・通信制大学もかなり増えていますし、選べる範囲で自分の進みたい学校を選べる環境があるというのは、どんな子供にとっても恵まれていると言えるでしょう。

ただ、就職となると話が違います。発達障害者の就職というのはかなり難しい問題がたくさんあります。

就職はつまり「労働しにいく」ということですが、それには下記のようなハードルが立ちはだかることになるのです。

  1. 本人が「労働したい」と思えるか
  2. 会社の規則に順応することができるか
  3. 就業時間を守れるか
  4. 発達障害者を受け入れる職場があるか
  5. 安心出来るサポート体制が用意されているか
  6. 職場の上司や同僚から理解が得られるか
  7. 生活できるだけの賃金を払ってもらえるか

このようなことをクリアできる会社というのは少数であり、特に地方に行けば、さらに就職先は限られることになります。

福祉作業所など障害者だけを受け入れる場所はありますが、生活に充分なお金を稼ぐことは不可能です。

そういった環境の中で発達障害の子供に就職をさせるためには、早期の情報収集とともに、学校や家庭でいかにソーシャルスキルを身に付けられるかが分かれ目となるのです。

発達障害と一生向き合う覚悟が必要

発達障害の子供を育てていくことは、大人になってからのことも考えれば、生易しいものではありません。

大人になっても仕事ができなくて、70を過ぎた両親が一生懸命身の回りの世話をしているという発達障害者も実際にいます。

そうした現実を目の当たりにすると「どうすればいいのか」と頭を抱えたくなることもありますが、それでも、何よりも大切な可愛い我が子です。

子供が発達障害と診断された時は、まずその現実から目を逸らさず、一生向き合う覚悟が必要だと思います。

そして、親だけでは支えきれない部分をどうやって補うか、子供にどうやって生きる力を身に付けさせるかを考えていきましょう。

日本では軽度なものを含めると発達障害者の割合は15人に1人いると言われています。

ですから、「自分だけが、うちの子だけが…」と悩まずに、数が多い分、支援の輪が広がっていることに感謝しましょう。

そして、家庭でできる範囲の支援を行ないながら、学校や職場にお願いするサポート、行政から受けられる支援金などを有効活用して、発達障害の子供が社会の中で生きづらさを感じないように、逞しく育ててあげて下さい。

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