発達障害

【タイプ別】発達障害児への接し方と育て方のポイント|特性に合わせた適切な子育てを解説します

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こんにちは、子育てライターのエリです。高校生の長男は、小学校低学年の時に発達障害と診断されました。

発達障害児の子育ては悩みがいっぱいで、「こういう時、どう接したら良いの?」「育て方間違ってる?」と、疑問に思うことがたくさんあります。

でも、周囲には相談できる相手がいなくて、何が正しいのか、どうしたら良いのか、分からなくて苦しんでいるお父さんお母さんも多いのではないでしょうか。

私自身も、長男が発達障害と診断されてから数年間は、接し方や育て方が分からなくて頭を抱えることがよくありましたが、悩みながら精神科医や臨床心理士、小児科医師、カウンセラーの先生に相談して教えていただいたことが、今の子育てに活きていると感じます。

こちらの記事では、その当時に私が先生方に教えていただいたことや、関連する書籍で勉強したことをまとめました。

大変な毎日の中で、「発達障害の子どもにどう接したら良いのか」と悩んでいるお父さんお母さんに役立ててもらえると嬉しいです。

発達障害児への接し方と育て方7つのポイント

発達障害児への接し方で、まず基本として覚えておきたいポイントがこちらです。

  1. 叱るより褒める
  2. 簡潔な言葉で伝える
  3. 生活パターンを決めてあげる
  4. 苦手なことは無理をさせずにサポートする
  5. 失敗体験を減らすための支援を強化する
  6. 得意なことを伸ばしてあげる
  7. 家庭や学校での役割を決めてあげる

この7つのポイントは、発達障害の子どもへの接し方で土台になるものです。

こういった接し方を心掛けながら、特性に合わせて最善の方法を探っていかなくてはいけません。

特性に合わせて、タイプ別にどのように接したら良いか、育てたら良いかを、1つずつ詳しく解説していきます。

発達障害児の特性タイプ別|接し方と育て方

発達障害は大きくわけて、自閉症、アスペルガー症候群、ADHD(注意欠陥多動性障害)、LD(学習障害)という種類があります。

それぞれには異なった特性がありますが、複数の特性を併せ持っている発達障害児がほとんどですから、「これだからこれ」と決めつけずに、「こういう接し方はうまくいきそう」と感じたものを試してみて下さいね。

まずは、自閉症の子どもです。

医療機関では自閉症と診断されずに「自閉傾向」という言葉が使われることもありますが、自閉症でも自閉傾向でも、接し方育て方で気を付けるポイントは同じものだと考えて下さい。

自閉症の子供への接し方と育て方

自閉症の原因は脳機能の独特な働き方だと考えられていますが、これは、薬や手術によって治すことはできません。

ただ、自閉症の子供の脳の中には、通常に機能する部分もたくさんあるため、その通常に働く部分に適切な働きかけを行えば、うまく働かない機能を補うことが可能なのです。

つまり周囲が適切に対処してあげることで、本人の不安や困り感を軽減できたり、できなかったことが少しずつできるようになったりします。

子供の生活上の困難を減らし、場面ごとに適切な行動が取れるよう教育的な援助を行う方法を療育(治療教育)といいます。

医療機関でも、自閉症の治療は療育が中心になっています。

療育は誰でも実践できる?

療育は、指導や訓練の積み重ねによって、子供の考え方や行動を好ましい方向へ変えていく治療法です。

治療という言葉を使うと難しく感じますが、日々の中でコツコツ働きかけていくものなので、むしろ医療機関で行なうというよりは家庭の中で継続的に進めた方が効果は大きいです。

薬のようにすぐに効果が現れる方法ではありませんが、根気よく続けていくことで、子供の生活が安定して適応能力をつけさせることが期待できるのです。

社会に居場所を作るために

自閉症の子どもの目標として「将来自立して社会生活を営むこと」を掲げるのであれば、適応能力をいかに身に付けるかということが発達過程での大きなテーマとなります。

自閉症は生まれつき脳機能の働き方に原因があって、不適応行動が起きてしまうものです。

ですから、問題行動が起きるのは仕方ないこととも言えます。

でも、その状況をいつまでも寛容に受け止めすぎていると、本人が大人になり社会に出てから非常に大きな困難に突き当たることになります。

「苦手だから、できないままで良い」と言うことではなく、必要最低限のラインで人とコミュニケーションを取ったり、その場その場に適した行動・態度をとったりできるようにしておくことが、自閉症の子供自身にとって長い人生を送っていく上で望ましいことではないでしょうか。

自閉症の子供への接し方で気を付けること

自閉症の子どもが社会への適応能力がつくために、親が心掛けるべき接し方を詳しく紹介します。

基本的に、自閉症の子どもが好ましくない行動(パニックや自傷行為など)が現れたときには、評価しないで、好ましい行動をした時にはしっかり褒めます

好ましくない行動をした時の「評価しない」というのは、つまり無視するということです。

自閉症児への行動療法のポイントは、問題行動に対し叱責や罰を与えないことが大切といわれています。

叱りたくなっても抑えて、問題行動を引き起こす原因や不快感を取り除いたり遠ざけたりしましょう。

その時、本人に対して咎めるような言葉がけをする必要はありません

逆に良いこと、好ましい行動をした時は、しっかり褒めたり、ご褒美を与えます。

その時の注意点として、本人が「褒められた」と実感できるようにすることが大切です。

「良いことをしたから褒められた、ご褒美をもらえた」という実感が次につながります。

自閉症の子どもの生活環境

情報の取り捨て選択がうまくできない自閉症児に対しては、必要な情報だけに注意が向けられるよう、不要な情報は遮断できる環境を作りましょう。

音や光、臭い、皮膚への刺激など、五感で受けた刺激情報をどのように認識し、それに対してどう反応し行動すれば良いかを、言葉や行動で教えてあげることも大切です。

そして、普段から失敗体験を減らすように、苦手なことは徹底サポートします。

成功体験や達成感を味合わせるためには、何事も低いハードルから始めて「できた」「がんばった」と感じさせるようにしましょう。

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アスペルガー症候群の子どもへの接し方と育て方

アスペルガー症候群の子供は、言葉の遅れもなく中には知能が高い子もいるため、周囲から「不思議な子」と思われることがあっても、「障害があるのではないか?」と気付かれる事はなかなかありません。

しかし、年齢を重ねるうちに人との関わり方が複雑になり、人間関係が多様化してくる中で、さまざまな問題が顕在化してくることがほとんどです。

「さんざん言ったことが通じない」「傷つくことを言ってくる」などと、周囲から非難されたり咎められるようなことが増えることもあります。

人の気持ちや空気を読むことが苦手なアスペルガー症候群の人にとっては、大人の社会が近づくにつれて、「生きにくい」と感じることもあるでしょう。

そうした中で、自分を貫き通すのではなく、「いかに人と折り合いをつけていくか」が重要ですから、子どものうちにアスペルガー症候群が分かった場合は、早目に対処しておいた方が本人もラクに暮らせるようになります。

例えば、「どの場面でどのように対応したらよいのか」「どういう言葉を使うと人を不快にさせてしまうのか」といったことを一つ一つ繰り返し教えて、社会生活に必要なソーシャルスキルを身に付けさせることが、アスペルガー症候群の子どもを育てる上で大きな課題といえます。

親が早目に気付いて二次障害を防ぐ

アスペルガー症候群は子どものうちは気付きにくい障害だけに、親が敏感に察知して、サポートしてあげることが大切です。

というのも、身近な大人の気づきや支援が遅れると、子供自身が日常のうまくできないことに自信を失い、自尊感情が損われていくからです。

そうなると、二次障害等も併発しやすくなります。

二次障害を併発してしまったケースでは、通常のアスペルガー症候群の治療だけでは効果が得られにくくなり、改善にかかる期間も長くなります。

早期発見、早期の働きかけを行うことで、生活のつまずきが少しずつ解消され社会性も身に付いていけば、大人になってから苦労することも少なくなっていきます。 

ADHD(注意欠陥多動性障害)の子どもの接し方と育て方

ADHDは不注意や多動性などの行動特性があり、そのために生活上の困難を抱えている障害のことです。

子供の3〜5%にADHDがあると考えられており、五対一の割合で男の子に多く見られます。

落ち着きのなさや注意力の欠如といった行動特性は、2歳頃から現れてくる場合が多いですが、実際に親が子供と一対一で接している時はそうした特徴に気づきにくいものです。

ADHD(注意欠陥多動性障害)の特徴には以下のようなものがありますから、「うちの子、もしかして?」と感じたら、行動特性が当てはまっていないか注意して見てあげて下さい。

  • 学校での忘れ物が多い
  • 勉強中に集中できない
  • 注意力が散漫
  • 落ち着きがない
  • 考えてから行動できない
  • 順番を待つことが苦手
  • すぐに癇癪を起こす
  • 不注意のケガや事故が多い

ADHDはお薬で抑えることもできるけど…

ADHDに特有の脳の働きは、治療によって改善させることはできません。

でも、お薬によってADHDの行動特性を一時的に回復させてあげることはできるので、校外学習など、突発的な行動で事故になりかねないような時にはお薬を使うことも良いかも知れません。

実際に、私の息子が通っていた特別支援学級のADHDのお子さんも、学校で落ち着いて過ごせるようにお薬を飲んでいるという子がいました。

ただ、薬による治療は当面の日常生活の困り感を解消する上では有効ですが、それだけで不適応行動がなくなるわけではありません。

ですから最終目標は、「薬の力を借りずに自発的に行動や感情をコントロールできるようになること」と言えるでしょう。

そのために親がするべきなのは、不適応行動を自覚させること。

そして、その不適応行動を適切な行動へと変えていく練習を重ねることが必要になるのです。

時間がかかっても見守ってあげて

具体的な方法としては、場面に応じた適切な行動を繰り返し教えあげて、よくできた時にはしっかりと褒めてあげることです。

最初のうちは不適応行動が多かったADHDの子供でも、繰り返し褒められることで、「褒めてもらえるような行動を取ろう」と考えるようになります。

ただ、成果が見られるまで時間がかかりますので、指導する親は長いスパンで子供の成長を見守る覚悟が必要です。

LD(学習障害)の子供の接し方と育て方

学習障害とは、基本的には知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する、または推論する、という能力のうち、特定の習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものです。

学習障害の原因は、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されていて、その他の障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではありません。

LDの子どもには苦手なことを強要しない

LDの場合、普通の子どものように音読や漢字の書き取りを繰り返し練習すれば上達する、というわけにはいきません。

人一倍練習を重ねてもなかなか上達しないため、周囲が「できないなら、もっと頑張りなさい」という接し方をすると、本人の心を傷つけてしまいます。

周囲の人が、「努力してもできない」ということを理解してあげる。

それが、LDの子どもへの接し方ではなによりも大切です。

苦手なことを訓練によって克服させるのではなく、むしろサポートするようにして、得意科目や興味のあることがあれば、積極的に取り組ませてやる気を引き出してあげるようにしましょう。

子供が自分の得意なことを見つけたり、好きなことに没頭できる機会を設けることが、自信をつけさせることにつながります。

苦手なことを強要したり、できないことをほかの子供と比較して叱ったり、「努力が足りない」と叱咤激励する事は、子供の自信を失わせ意欲を減退させることになりますから避けるようにしてください。

LDの子供は、不便さや辛さを理解してあげて必要なサポートを行い、学習環境を適切に整えてあげれば、学習到達度は向上します。

例えば、タブレットやパソコンを使って頭に入りやすい学習方法を取り入れるのも良いですし、授業についていけない子どもは、特別支援学級に籍を置いて進度に関係ない本人のレベルに合わせた学習をさせてもらうこともできます。

発達障害児への接し方は難しいけれど…

発達障害児を育てるのはとても難しくて、問題行動に翻弄されることもありますよね。

いつか治る病気ではないだけに、療育で問題行動をいかに減らすかが、子育ての負担を軽くする鍵になります。

親も子も無理をしない範囲で、療育を進めていけたら良いですね。

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