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近所の児童虐待を通報してみた|虐待の通報の方法とやってみて分かったこと

日本では児童虐待によって多くの子供が現在進行形で苦しんでおり、親や親族からのエスカレートする暴行で虐待死に至るケースも少なくありません。

小さな身体で凄まじい暴力や暴言に耐え、ついには命を落としてしまう子供達。虐待死の悲惨なニュースを見るたび、心を痛めている人も多いのではないでしょうか。

国の未来を担う、宝物であるはずの子供達が、どうしてこんなに無惨な死に方をしなければいけないのか。

悲しみがこみ上げてきますが、絶望に打ち拉がれていても仕方ありません。

私たち大人がやるべきことは、「虐待に苦しむ子供を少しでも減らすために自分に出来ることは何か」を考えることです。

そこで、一番しなくてはいけないこと。それが虐待の通報なのです。

日本では、児童虐待を受けたと思われる子供を見かけた場合、「通報をしなくてはいけない」という義務があります。

自分の身の回りで「虐待かな?」と疑うようなことが起きていたら、躊躇せずに通報をしましょう。

こちらの記事では、私がこれまでに経験した児童虐待の通報を振り返りながら、虐待通報の方法や、どのタイミングで通報するべきかを紹介していきます。

児童虐待を通報したらこうなった

近所から泣き叫ぶ子供の声が聞こえたり、ベランダや玄関の外に出されている子供を見かけたり、ふと見かけた子供の顔や身体にアザや傷があったり…。

誰でも1度くらいは「あれ、この子、大丈夫かな?」と思わせるような虐待の疑いのある子供を見かけたことがあるのではないでしょうか。

私は若い頃から引っ越しをよくしていたのですが、その中で、虐待が疑われる家の近所に住んだことが何度かありました。

虐待か?と疑いはじめたきっかけになったのは、下記のようなことがあったから。

虐待を疑うきっかけになったこと

  • 子供の泣き声が断続的に続いて、「痛い」「やめて」「怖い」などの悲鳴が時々まじっている。
  • 大人のわめき声や怒鳴り散らす声のあとに、子供の泣き叫ぶ声が聞こえる。
  • ドン!ガチャン!ガタガタ!など、普通の生活では発しないような音が聞こえて、同時に子供の悲鳴や泣き声が聞こえる。
  • 平日の昼間に、痩せ細った髪の毛ぼさぼさの小さな子供が1人でマンションのエントランスでグッタリしている

児童虐待はたいてい家の中で行なわれるので、他人がその現場を見ることはほとんどないと思います。

しかし上記のようなことが積み重なると「やっぱり何かおかしい」と感じて、様子を見ても収まっていないようなら、私は虐待通報をすることにしています。

虐待を通報するやり方と通報で聞かれること

虐待の通報は全国共通ダイヤルの189番に電話をすれば繋がります。深夜でも、土日祝日でも大丈夫なので、緊急性のある時は躊躇せずにかけた方が良いです。

189番に通報すると職員の方が対応してくれますが、こちらの気持ちの焦りとは裏腹に、結構のんびり口調で話していたりしてイライラすることもあります。

虐待の通報で細かい情報を伝える

虐待の通報で聞かれることは、場所や時間、こまかい様子などについてです。

  • 虐待の発生時間(音が聞こえた時間)
  • 場所
  • どんな様子だったか

近所から聞こえてきた音に関しては、どの部屋から、どの家から、というのがはっきりしないことも多いです。

そういう時は、大体の場所を伝えておけば、児童相談所の方で地域の子供のデータと照らし合わせたり、近所で聞き込みをして家を特定してくれます。

子供の性別や年齢層も伝える

声だけだと、なかなか性別や年齢層を特定することは難しいのですが、「赤ちゃんではない」「男の子っぽい声だった」など、印象だけでも正確に伝えておきます。

実際に子供の姿を見ている場合は、服装や髪型などの特徴を伝えます。

虐待の通報をした後はどうなる?

「虐待かも」と心配になって通報をすると、48時間以内に児童相談所の職員が現場確認に訪れます。

確認と言っても通報者の家にくるのではなく、電話で伝えた『虐待が疑われる家』にたずねてくるのです。

音だけで家の正確な場所が分からなかった時には、「先ほど通報があったのですが、お子さんの泣き声があったお家を知りませんか?」と、近所に聞き込みをして家を特定します。

虐待の通報は匿名で出来る?

児童虐待の通報は匿名で出来ます。自分の住所や氏名を名乗る必要はありません。

あとから職員がたずねてきたり、現場に立ち会うこともありませんから、虐待している親に通報者がバレる心配はほとんどないと思って良いです。

私自身も、虐待通報で名前を名乗ることはしていません。

匿名で良いからといって特定の人物への嫌がらせの為に通報をしたりイタズラ電話をすることは絶対にダメですが、報復を恐れて虐待の通報を躊躇している人は、大丈夫なので状況を伝えるだけでもしておいて貰いたいです。

匿名だから事後報告は無い

児童虐待の通報が匿名で出来ることはメリットですが、ただ、匿名だけに「その後どうなったのか」を知ることは出来ません。

虐待の疑いがあり心配している子供がいて、意を決して通報をしたとします。

そこで児童相談所の職員が確認に来てくれたことは分かっても、そのあと子供が保護されたのか、親への指導があったのか、通報者は教えてもらえないので少し気になる人もいるかも知れません。

ただ、そこで泣き声や激しい物音がおさまれば安心ですし、もしもまだ何も変わらないようなら、再度通報をして前回のことも合わせて「しっかり確認して欲しい」とお願いしましょう。

児童虐待を警察に通報した場合

緊急性のある虐待事案なら189番の児童相談所ではなく警察に通報しても良いです。

私は一度、夜中に「お父さん痛い!助けて!」という子供の泣き声が聞こえ、189番に電話したら「緊急性があるので警察に通報して下さい」と言われたことがあります。

ただ警察に電話をすると説明しにいったり立ち会ったり、ややこしいことになるので、そちらから通報して下さいとお願いして電話を切りました。

また別のマンションでは、近所の人が警察に通報していて、私の家にもおまわりさんが聞き込みに来られたことがありました。

おまわりさんは「今朝、この近所からお母さんを呼ぶ子供のわめき声が聞こえたようですが、どの家か分かりませんか?」と聞かれ、”そういえば朝、家の前のマンションからものすごい声が聞こえていた!”とハッと気付いて「たぶん、この前のマンションです!」と答えておきました。

部屋番号までは分かりませんでしたが、確かに子供の「ママー、やめて、うわあああ!」という謎の叫び声をゴミ出しをしながら聞いていたことを思い出したのです。

朝は忙しくてバタバタしているうちに忘れていましたが、「また?大丈夫かな…」と感じていたのでした。

そのマンションは以前からおかしな叫び声や泣き声がよく聞こえていて、私も前に189番で通報したことがありました。

なので、おまわりさんにも「私も前に児童相談所に通報しています」と伝えました。

今回警察に通報した人は、私のように児童相談所に通報していたけど一向に収まる気配がないから、子供が心配になって、警察に電話してみたのかも知れないですね。

その後、警察がマンション内を見て回っていたのを確認しました。そして、謎の泣き声は収まったので、何らかの対処をしてくれたのだと思います。

虐待が深刻な場合は警察の方が頼りになる

虐待死が起こると管轄の児童相談所の所長や職員がテレビで謝罪しているのを見かけることがよくありますが、それを見る限り、児童相談所には少し頼りなさを感じることもありますよね。

ただでさえ、子供を虐待する親は逆上しやすい乱暴な人が多いようですから、強い態度で怒鳴り散らされた時に跳ね返すことができるのか…という不安も感じてしまいます。

虐待死の事件のほとんどは、もうすでに児童相談所が介入しており、それでも防げていないという現状があることも事実。

ということで、本当に深刻な虐待があるような家庭の場合は警察に通報した方が良いケースも多いと思いますし、実際に警察に通報して確認に来ているのを私自身も見ています。

ですから、児童相談所への通報でも虐待が収まっていないような場合で、子供の命を脅かす可能性があると感じたなら、警察に相談して現状の確認だけでもしてもらうと、虐待している親への抑制効果があるのではないかと感じます。

もちろん警察が介入したからといって虐待が必ずおさまるという保証はありませんし、実際に警察が介入しても防げなかった虐待死がいくつもあります。

それでも、何も手を打たず放置するよりは救われる子供がたくさんいることは事実です。

痛い、寂しい、苦しい…、そんな思いにひたすら耐えている子供達を救う為に、虐待の疑いのある子供達を見て見ぬ振りせず、どうか児童相談所や警察に通報して助けてあげて下さい。

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